伝統的なヨーガ(ヨガ)の行者たちは、インド・ヒマラヤで、標高が高く空気の薄い極寒の洞窟の中や、急斜面の不安定な場所などでヨーガを業じています。
そんな中で大切なのは、必要な時に力を発揮できる強靭な心と肉体です。
酸素が薄くても、ストレスが多くかかっても、それに耐えうる強い生命力こそが大切なのです。
ヨーガブームは何度かありましたが、3、40年ほど前、ヨーガや瞑想など、東洋の文化が西洋に広く取り入れられるようになりました。
それ以来、美容目的の、見せる(魅せる)ヨーガもハリウッドスターやモデルたちによって、ブームになりました。
それらは良い部分もありますが、その裏では、怪我などの有害事象による訴訟も多く起きています。
ちなみに、このクラスの目的は、心身の調和と、筋力アップです。
ポーズ中心のニューヨークスタイルも楽しいけど、本来のヨーガは、自分自身の内側に意識を向け、体の中の変化、反応を客観的に捉えるものなのです。
常に、“今この瞬間”を意識しながら、緊張と弛緩の時の自分の体の変化を客観的にみてゆくことが大切になります。
バレエやダンスなどと違って、ヨーガは人に見せるものではありません。
人から見られていることを意識すると、意識が外側に働いてしまい、ヨーガの効果が得られにくくなります。
意識を外側に置くということは、外の環境に振り回されてしまうことに繋がるからです。
意識を内側に置き、そして、「今この瞬間」に意識をフォーカスすると、過去を後悔したり、未来に不安や恐怖を抱く事から解放されます。
スポーツの世界でよく言われる、「ゾーンに入る」という状況は、今この瞬間に100%意識を集中させることで、本来私たちが持っている能力を存分に発揮できるということを表しています。
そういった意味も含めて、近年は多くのアスリートたちが、心と体のメンテナンスとしてヨーガを取り入れるようになり、成果に大きく貢献しているようです。
【ヨーガ・アーサナ(ポーズ)のやり方、概要】
①緊張と弛緩の繰り返し
(緊張のポーズとリラックスのポーズを通して、体の反応を意識しながら繰り返す)
②呼吸に体の動きを連動させる
(呼吸と体の調和、心身のリラックスと意識化)
これらの動きにより自律神経系の機能がアップし、心身の調和が図られます。
自律神経系の働きが良くなると、免疫系、ホルモン系もよくなります。この3つは連動しているので、どれかが不調をきたすと、全てが乱れてゆきます。
これら⬆️を悪くする最大の原因は、ストレスです。
自律神経を司るのは脳の視床下部ですが、ここは、ストレスの影響をもろに受けてしまうようです。
ヨーガを行じることで、ストレスを遮断したり、ドーパミンやセロトニンなどの 神経伝達物質や、成長ホルモンをはじめとする、各種ホルモンの働きをを促進させる物質を出すと言われています。
また、瞑想を習慣化することで、物事を客観的に捉えられるようになり、ストレス耐性がつくと言われています。
ヨーガは元々、人々が幸せに生きるための知慧を説いた学問のようなものです。
ヨーガのシンボル(象徴)は、オーム(応諾すること)です。
我が身に降りかかる全てを応諾して、受け入れること(執着を手放す)が、幸せに生きる最大のヒントなのです。
また、ヨーガの語源は、サンスクリット語で、「結びつき」や「融合」といった意味があります。
体と心を魂または、内なる神(真我またはアートマン)と結びつけ、さらに宇宙の高次元の存在=神 と結びつけることを目的としています。
実はほとんどの人が、これらの結びつきが感じられないからこそ、分離の意識を持ち、孤独を感じたり、他者と比べたり、損得を重んじたり、他人を批判したり罰することで自分を守ろうとしたりするのです。
真に調和の取れた状態へ行き着くために、ヨーガの段階をざっくり省略して言うと、以下の通りになります。
①ヨーガ・アーサナ(ヨガのポーズ)
②呼吸法
③瞑想法
①と②で、意識を内側に向け、体の中から生じる反応や変化に集中し、客観的にみてゆきます。
そしていつも自動的に行われている呼吸と体をコントロールします。
いきなり瞑想するより、①や②を行うと瞑想しやすくなります。
ヨーガは、段階を経て、瞑想まで行うことで、外からの刺激や、環境の影響を受けにくく、自分で自分をコントロールする力がついてゆきます。
そして、客観的に物事を見ることで、自分のこだわりや執着に気付き、自分自身を生き辛くしている考えを手放したり、自分の感情に振り回されることなく、「今、ここ」に意識を置いて、今すべき事に集中できるようになると言われています😊
でもまずは、緊張と弛緩を通して、体の反応に意識を向ける、その気持ち良さを体感してみてください。
これだけでも、自律神経系の働きが良くなり、体調がリセットされることを実感いただける事と思います。
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